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メルカリに古物商許可は必要か:不要な売り方・必要な売り方と、メルカリShopsでの届出・表示の実務

公開 2026-09-22|掲載データの確認日 2026-09-22

「メルカリで中古品を売るのに古物商許可は要るのか」は、売り方によって答えが変わります。しかもメルカリにはメルカリ(フリマ)とメルカリShopsという2つの売り場があり、メルカリ自身がそれぞれ違う説明をしています。

この記事では、2026年9月22日時点の古物営業法の条文、警察庁の解釈運用基準、警視庁の案内、およびメルカリ公式ヘルプ・メルカリShopsガイドの記載にもとづいて整理します。本記事は公的資料と各社公式ページの記載を整理したものであり、個別の法律アドバイスではありません。

1. 分かれ目は「買い取っているか」

古物営業法第2条第2項第1号は、許可が必要な営業を次のように定義しています。

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

「売るだけ」はカッコ書きで除かれています。したがって、

売り方 許可
自分が使っていた物・家にあった物を売る 不要
無償でもらった物を売る 不要
他人から買い取った中古品を売る(せどり・転売) 必要
他人の中古品を委託を受けて売る 必要

無許可で古物営業を営んだ場合、法第31条第1号により3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。法第36条により、情状により併科されることがあります。

関連:ネット販売で古物商許可が必要なケース・不要なケース

2. メルカリ自身はこう書いている

メルカリのヘルプセンター「古物商許可について」の記載は、個人と事業者で分かれています。

個人のお客さま:メルカリで出品を行う場合

メルカリは個人間の物品売買の場であり、個人に対して不要品売買の場・機会を提供するサービスであるため、原則として古物営業法は適用されません。 しかしながら、お客さまが営利目的で中古品(古物)の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する可能性がございます。 ※取引の実態や営利性等に照らし、個別具体的に判断されます メルカリでは事業者による利用を想定していないため、個人としてご利用いただきますようお願いいたします。

見落とされやすいのが最後の一文です。メルカリ(フリマ)は事業者の利用を想定していないとメルカリ自身が書いています。許可を取って事業として売るなら、売り場はメルカリShops側だという整理です。

事業者のお客さま:メルカリShopsで出品を行う場合

メルカリShopsで中古品(古物)を販売する場合は、法令上、古物商許可を取得する必要がございます。

Shops側は「必要です」と断定です。実際、Shopsの開設審査では許認可証の画像提出が求められます(5節)。

3. 「個別具体的に判断」の中身

メルカリのヘルプにある「取引の実態や営利性等に照らし、個別具体的に判断されます」という表現は、警察庁の解釈運用基準の記載とほぼ同じです。

いわゆるリサイクルショップやバザー、フリーマーケット、インターネット上のフリマサイト等において行われている取引が古物営業に該当するかどうかについては、その取引の実態や営利性等に照らし、個別具体的に判断する必要がある。

同じ通達には、判断の材料として「営利目的で反復継続して古物の取引を行っていると認められる場合には、古物営業に該当する」とあります。さらに「営業」の意義について、次の記載があります。

その行為が、その者が主として行う本業、本職である場合だけでなく、臨時的に行う副業、内職等というべき場合においても、それは法にいう営業と認められる。

「副業だから」「月に数点だから」は、それ自体では理由になりません。 判断軸は買取りの有無と、営利目的での反復継続です。

4. 見落とされやすい落とし穴:メルカリで「仕入れる」とき

ここが最も実務に効く部分です。許可を取ってせどりをする人は、メルカリを売り場としてだけでなく仕入れ先としても使います。そのとき、古物商としての義務が発生します。

法第15条第1項は、古物商が古物を買い受けようとするときは相手方の真偽を確認するための措置をとらなければならないと定めています。警視庁はこれを明確に書いています。

古物商同士の取引であっても、取引の相手方の確認義務は免除とならないため、古物商が仕入れのため、リサイクルショップ等で古物を購入する際も、相手方の確認は必要となります。 インターネットオークションやフリマアプリを利用しての取引であっても、相手方の確認は必要です。

確認する内容は、相手方の住所・氏名・職業・年齢です。そして非対面の取引では、施行規則第15条第3項が定める方法をとる必要があります。

免許証等のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは違反です。(警視庁)

1万円未満の免除と、その例外

対価の総額が1万円未満なら、確認義務と帳簿記載義務は原則免除されます(法第15条第2項第1号、規則第16条第1項)。ただし次の品目は金額にかかわらず対象です(規則第16条第2項)。

  1. 自動二輪車および原動機付自転車(汎用性の部分品を除く部分品を含む)
  2. エアコンディショナーの室外ユニットおよび電気温水機器のヒートポンプ
  3. 専ら家庭用コンピュータゲームに用いられるプログラムを記録した物
  4. 光学的方法により音または影像を記録した物
  5. 電線
  6. グレーチング(金属製のものに限る)
  7. 書籍

ゲームソフト、CD・DVD、書籍は、せどりの主力商材でありながら、いずれも1万円未満でも本人確認と帳簿記載が必要な品目です(2・5・6は2025年10月1日施行の改正で追加されたものです)。

また警視庁は、1万円未満であっても18歳未満の者からの買い取りでないことを確認する必要があるとしています。

匿名配送との関係

規則第15条第3項が認めている非対面の確認方法は、印鑑登録証明書と押印書面の送付を受ける、本人限定受取郵便で到達を確かめる、住民票の写しに記載された本人名義の口座に代金を入金する契約を結ぶ、古物商が提供したソフトウェアで身分証と容貌の画像の送信を受ける、といったものです。いずれも相手方の住所・氏名を把握することが前提になっています。

フリマアプリの匿名配送で、これらの方法をどう満たすのかを説明した公的資料は、今回の調査では見つけられませんでした【不明】。 仕入れにフリマアプリを使う予定があるなら、自分の買取フローが規則第15条第3項のどの方法に当たるのかを、申請の段階で管轄警察署の防犯係に確認してください。 ここを曖昧にしたまま始めると、開始初日から法第33条第1号(6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)の対象になり得ます。

5. メルカリShopsで売るときの実務

メルカリShopsガイド「中古品(古物)を販売する時の注意事項」に書かれている要件は次のとおりです。

項目 内容
許可 中古品を販売するには法令上、古物商許可の取得が必要
提出書類 古物商許可を有していることを証する許認可証画像の提出(開設審査時)
ショップ説明への表示 許可を受けている公安委員会の名称/許可番号/許可を受けている方の氏名もしくは法人名
販売禁止(許認可の有無を問わない) 自動車、自動二輪車および原動機付自転車/金券類
商品説明 正確な商品名とブランド名、正規品(真正品)であることを疎明する資料(仕入れルート・購入時期等)、付属品の有無、商品の状態

違反が認められた場合、利用制限などの措置を行う場合があるとされています。

表示する3項目は、古物営業法第12条第2項が定める内容と一致します。個人の場合は氏名が必要で、屋号だけでは足りません。警視庁も「氏名に代えて、営業所の名称のみを表示することは認められません」としています。

自動車・バイク・金券類が禁止なのはShops独自のルールです。これらを扱うなら別の売り場が必要になります。

6. 届け出るURLは「ショップ固有のURL」

ネットで古物取引をする場合、許可申請書にそのURLを記載し、URLを使用する権限を疎明する資料を添付します(法第5条第1項第6号、規則第1条の3第3項第5号)。

メルカリShopsガイド「古物商許可申請時のURLの届出」は、この点について次のように案内しています。

  • 届け出るのはショップ固有のURL(ショップ開設時に送付される審査完了メールに記載、または管理画面から確認できる)
  • 特定のURLが不要な場合は「https://jp.mercari.com/shops/」を記入
  • URL使用権限の疎明資料としては、ショップ開設時に送付される審査完了メールをPDF化またはプリントアウトして提出
  • 詳細は管轄地域の警察署に確認することが推奨されている

なお、すでに許可を持っている人が後からShopsに出店した場合も、URLの届出(変更届)が必要です。警察庁の解釈運用基準は「既に許可を受けている古物商が、新たにウェブサイトを利用した古物の取引を開始したとき又は届出済みのURLを変更したときも、(中略)同様の届出が必要となる」としています。変更の届出は、原則として変更の日から14日以内です(規則第5条第6項)。

関連:古物商許可番号の調べ方と、検索しても出てこない5つの理由

7. メルカリ(フリマ)で古物商として売る場合

警視庁は、フリマアプリでの表示についても明記しています。

オークションサイトやフリマアプリを利用して、古物商であることを表示せずに取引を行うことはできません。

一方で、2節のとおりメルカリ(フリマ)は事業者による利用を想定していないとメルカリ自身が案内しています。事業として中古品を扱うなら、この2つの記載の整合が取れる売り場はメルカリShops側ということになります。

8. 判断の順序

  1. 買い取っているか。 自分の不用品・無償で得た物を売るだけなら許可は不要。
  2. 買い取って売るなら許可を取る。 申請先は主たる営業所(自宅可)の所在地を管轄する警察署、手数料19,000円。
  3. 売り場はメルカリShopsにする。 メルカリ(フリマ)は事業者利用を想定していないとメルカリが明記している。
  4. 申請時にショップ固有のURLを届け出る。 疎明資料は審査完了メール。すでに許可がある場合は14日以内に変更届。
  5. ショップ説明に、公安委員会名・許可番号・氏名(法人名)を書く。 個人は屋号だけでは足りない。
  6. 仕入れの本人確認フローを先に決める。 特にゲームソフト・CD/DVD・書籍は1万円未満でも本人確認と帳簿記載が必要。匿名配送での取り扱いは管轄警察署に確認する。
  7. 帳簿を3年保存する。(法第18条第1項)

記載内容はすべて2026年9月22日に、e-Gov法令検索の法令本文、警察庁の解釈運用基準、警視庁のページ、メルカリのヘルプセンターおよびメルカリShopsガイドで確認しました。法令・各社のルールは改正される場合があるため、最新の情報は出典先をご確認ください。自分の取引が古物営業に該当するかどうかの最終的な判断は、営業所を管轄する警察署の生活安全課・防犯係にご確認ください。出典URLはこの下にまとめています。

出典(確認日 2026-09-22

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