古物商プレート(標識)の仕様と書き方:紺色地に白文字・8×16cm、「○○商」に入る13の言葉
公開 2026-09-22|掲載データの確認日 2026-09-22
古物商の許可が下りたら、営業所に標識(一般に「古物商プレート」と呼ばれるもの)を掲示しなければなりません。掲示は任意ではなく義務で、掲示しなければ罰則があります。
この標識は、材質・色・寸法・書く内容が法令と国家公安委員会規則で決まっています。この記事では、2026年9月22日時点の古物営業法・同施行規則の条文と、警視庁が公表している「標識の様式」の備考にもとづいて、そのまま作れる形に整理します。
1. 掲示は義務。違反すると10万円以下の罰金
古物営業法第12条第1項は次のとおりです。
古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。
この規定に違反した者は、10万円以下の罰金に処せられます(法第35条第2号)。同じ条文には、行商・競り売りのときの許可証携帯義務(法第11条第1項)や行商従業者証を携帯させる義務(同第2項)の違反も並んでいます。
2. 決まっている仕様(警視庁「標識の様式」の備考より)
標識の様式は、古物営業法施行規則第11条により別記様式第13号(古物商用)または別記様式第14号(古物市場主用)、もしくは後述の承認を受けた様式とされています。
警視庁が公表している別記様式第13号の備考は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲示する者 | 古物商が、その営業所または仮設店舗に掲示する標識 |
| 材質 | 金属、プラスチック、またはこれらと同程度以上の耐久性を有するもの |
| 色 | 紺色地に白文字 |
| 寸法 | 縦8センチメートル、横16センチメートル |
| 番号 | 許可証の番号 |
| 上段 | 「○○○商」の形式(○○○は取り扱う古物の区分。次節) |
| 下欄 | 古物商の氏名または名称 |
紙に印刷したものは「金属、プラスチック、またはこれらと同程度以上の耐久性を有するもの」に当たらないと読むのが素直です。ラミネート加工などがこの要件を満たすかどうかは公表資料に記載がないため**【不明】**で、判断が必要なら管轄警察署に確認してください。
3. 「○○○商」に入れる言葉(13区分の対応表)
ここがいちばん間違えやすい部分です。標識の「○○○商」には、その営業所で取り扱う古物の区分(2つ以上を扱う場合は主として取り扱う区分)を書きますが、施行規則第2条の区分名をそのまま書くのではなく、一部は言い換えが指定されています。
警視庁の備考に示されている対応は次のとおりです。
| 施行規則第2条の区分 | 標識に書く言葉 |
|---|---|
| 第1号 美術品類 | 美術品商 |
| 第2号 衣類 | 衣類商 |
| 第3号 時計・宝飾品類 | 時計・宝飾品商 |
| 第4号 自動車 | 自動車商 |
| 第5号 自動二輪車及び原動機付自転車 | オートバイ商 |
| 第6号 自転車類 | 自転車商 |
| 第7号 写真機類 | 写真機商 |
| 第8号 事務機器類 | 事務機器商 |
| 第9号 機械工具類 | 機械工具商 |
| 第10号 道具類 | 道具商 |
| 第11号 皮革・ゴム製品類 | 皮革・ゴム製品商 |
| 第12号 書籍 | 書籍商 |
| 第13号 金券類 | チケット商 |
太字にしたものが、区分名から言い換えが指定されているものです。「類」は付けません。 「道具類商」「写真機類商」ではなく「道具商」「写真機商」です。金券類は「金券商」ではなく**「チケット商」**になります。
ネットショップで雑貨・家電・ゲームなどを扱う場合、区分は多くが第10号の道具類になるので、標識は「道具商」です。
4. 書き方の例
個人が、道具類を主として扱う営業所に掲げる場合の記載内容は、次の3つです。
- 上段:道具商
- 中段:東京都公安委員会許可 第301234567890号(実際の許可証の番号)
- 下欄:山田 太郎(古物商の氏名または名称)
法人なら下欄は法人名です。なお、ウェブサイト上への表示(法第12条第2項・第3項)では、個人の場合に屋号だけを表示することは認められていません。標識の下欄も「古物商の氏名又は名称」と定められているため、同じ考え方になります。
5. 入れてはいけないもの(他事記載の禁止)
見落とされやすいのがこれです。施行規則第13条は次のとおり定めています。
法第十一条第二項の行商従業者証又は法第十二条の標識には、犯罪の防止又はその被害の迅速な回復に特に資すると認められる場合を除き、第十条又は第十一条の規定により表示することとされている文字又は標章以外の文字又は標章を、記載、はり付けその他の方法により表示してはならない。
つまり、様式で表示するとされている文字・標章以外は載せてはいけません。ロゴマーク、屋号の飾り文字、電話番号、URL、SNSのアカウント名、QRコード、「創業○年」といった一言などを足すことは、この規定に反します。デザイン性を加えたくなる場面ですが、標識は看板ではなく法定の表示です。
6. どこに掲示するか
法第12条第1項は「公衆の見やすい場所」と定めています。警察庁の解釈運用基準は、この意味を次のとおり説明しています。
法第12条第1項中「公衆の見やすい場所」とは、営業所等の入り口等、通常街路等を通行する一般公衆において、社会通念上見やすいと認められる場所をいう。
また、営業所ごとに掲示が必要です。仮設店舗(催事場のブース、車両を使った出店、屋台など)で営業する場合も、その仮設店舗ごとに掲示します。古物を売却する自動販売機を設置する場合は、警察庁の通達により、個々の自動販売機に標識を掲示しなければならないとされています。
7. ネット販売だけでも標識は要るのか
法第12条第1項は、掲示の単位を「営業所ごと」としており、ネット販売かどうかで区別していません。営業所を持たない者については、住所または居所が営業所として扱われます(法第4条第10号)。自宅を営業所として許可を受けた場合、その営業所に掲示することになります。
自宅兼営業所で、具体的にどこにどう掲示すれば「公衆の見やすい場所」の要件を満たすのかは、公表資料には書かれていません【不明】。 集合住宅などで玄関先に掲げにくい事情がある場合は、許可の申請時に管轄警察署の防犯係に相談してください。
なお、ネットで取引をする古物商(特定古物商)には、この標識とは別に、ウェブサイト上への表示義務があります。氏名または名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号に加えて、取り扱う古物に関する事項も表示する必要があり、従業者5人以下でも免除されません。
8. 自分で作ってもよいか
規則が定めているのは様式(材質・色・寸法・記載内容)であって、入手先や製造者の指定はありません。要件を満たしていれば、購入しても差し支えないことになります。市販品はこの様式に合わせて作られているものが一般的です。
このほか、施行規則第12条には団体の様式を承認する制度があります。
国家公安委員会又は公安委員会は、国家公安委員会が定める団体が当該団体の社員、組合員その他の構成員である古物商又は古物市場主に共通して利用させるものとして定めた様式を、(中略)標識の様式として承認することができる。
承認された様式は、団体の名称・住所とともに官報で公示されます(同条第2項)。古物商の組合などに加入している場合、その団体の様式が承認されているなら、それを使うことができます。自分が加入予定の団体に承認様式があるかどうかは、団体または管轄警察署に確認してください。
9. ついでに覚えておく:行商従業者証
行商や競り売りをするとき、古物商本人は許可証を携帯しなければなりません(法第11条第1項)。従業者や代理人に行商をさせるときは、その人に行商従業者証を携帯させる必要があります(同第2項)。こちらも様式が決まっています(施行規則第10条、別記様式第12号)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材質 | プラスチック、またはこれと同程度以上の耐久性を有するもの |
| 寸法 | 縦5.5センチメートル、横8.5センチメートル |
| 氏名・生年月日 | 行商をする代理人等のもの |
| 写真 | 行商をする代理人等の写真(縦2.5cm以上、横2.0cm以上)をはり付け |
標識と同じく、行商従業者証にも他事記載の禁止(規則第13条)が及びます。
なお、許可申請書に「行商をする者である」旨を記載していないと、仮設店舗での営業や自動販売機の設置ができません。記載していなかった場合は変更届出書の提出が必要になります。
10. まとめ
- 標識の掲示は営業所ごとの義務。違反すると10万円以下の罰金(法第35条第2号)
- 仕様は紺色地に白文字、縦8cm×横16cm、金属またはプラスチック等の耐久性のあるもの
- 上段は「○○○商」。「類」は付けず、オートバイ・チケット等の言い換えがある
- 中段は許可証の番号、下欄は氏名または名称(個人は屋号だけでは足りない)
- ロゴ・電話番号・URL等を足すのは他事記載の禁止に反する
- ネット販売だけでも営業所への掲示は必要で、加えてウェブサイト上の表示義務が別にある
記載内容はすべて2026年9月22日に、e-Gov法令検索の法令本文、警視庁の「標識の様式」「行商従業者証の様式」、警察庁の解釈運用基準で確認しました。法令および運用は改正される場合があり、都道府県によって案内が異なる場合があります。判断に迷う点は管轄警察署の防犯係にご確認ください。本記事は公的資料の記載を整理したものであり、個別の事案についての法律判断を示すものではありません。出典URLはこの下にまとめています。
出典(確認日 2026-09-22)
- e-Gov法令検索 古物営業法(昭和24年法律第108号) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108
- e-Gov法令検索 古物営業法施行規則(平成7年国家公安委員会規則第10号) https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50400000010
- 警視庁 標識の様式 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/youshiki/hyoshiki.html
- 警視庁 行商従業者証の様式 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/youshiki/gyosho.html
- 警察庁 古物営業法等の解釈運用基準について(通達・令和6年8月14日) https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/seiki/2024kobutsukaisyaku.pdf
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