ECサイトの構築方式4つ:ASPカート・オープンソース・パッケージ・フルスクラッチの選び分け
公式情報を見た日:2026-09-23 / 掲載:2026-09-23(改訂 2026-09-27)

この記事の答え

4つの構築方式を、費用の出方・作る手間・変えられる範囲で、各社公式ページの記載をもとに比べた場合
- 個人・小規模事業者の店ASPカート。登録と設定で始められ、更新・セキュリティ対応は提供元がやる
- すでにサイトがあり、購入手段だけ足したい店カート機能だけを借りる形(SHOP-Makerなど)。6ヶ月分の前払いと7日間のお試しを先に確かめる
- 保守を続けられる体制がある店オープンソース(EC-CUBEなど)。ソースコードまで変えられるが、脆弱性対応は自分でやる
- BtoBの要件がある店料金表だけで決めず、各社の機能一覧で取引先別価格・掛け払いなどを1つずつ確かめる
ECサイトを作る方法は、大きく4つに分かれます。ASPカート(カートASPとも呼びます)、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチです。違うのは見た目ではなく、費用がいつ出るかと、あとから何を変えられるかです。
前の記事ではモールと自社ECの費用を月商50万円で比べました。この記事は自社ECの中身、つまり「どの方式で作るか」の話です。
1. 4つの方式の違い
| 方式 | 費用の出方 | 作る手間 | 変えられる範囲 |
|---|---|---|---|
| ASPカート(カートASP) | 月額+決済手数料 | 登録して設定するだけ | 用意された範囲内 |
| オープンソース | サーバー代+開発・保守の手間 | 自分または開発者が構築 | ソースコードまで自由 |
| パッケージ | 導入時に一時費用+保守 | 提供元に構築してもらう | 契約とカスタマイズ次第 |
| フルスクラッチ | 開発費+保守 | ゼロから開発 | 制限なし |
個人と小規模事業者の選択肢は、実質的にASPカートだけです。残り3つは、開発できる人が社内にいるか、外部に払える予算があることが前提になります。
2. ASPカート(カートASP)
すでにある仕組みを月額で借りる方式です。サーバーもソフトウェアの更新も提供元がやるため、自分でやることは設定と商品登録だけになります。
| サービス/プラン | 初期費用 | 月額 | 決済手数料 |
|---|---|---|---|
| BASE スタンダード PRBASE |
0円 | 0円 | 6.6%+40円(決済3.6%+40円+サービス利用料3%) |
| Square オンラインビジネス フリー | 記載なし | 0円 | 3.6% |
| STORES スタンダード | 0円 | 3,300円(年間契約)/3,960円(月額契約) | 3.6%〜 |
| Shopify ベーシック PRShopify(運営者は Shopify アフィリエイト(Shopify Affiliate)として参加しており、このリンクから登録があると報酬を受け取ることがあります) |
0円 | 3,650円(年払い)/4,850円(月払い) | 3.55% |
| カラーミーショップ レギュラー | 3,300円 | 4,950円 | 3.4%(カラーミーペイメントのクレジットカード) |
| makeshop プレミアム PRmakeshop |
11,000円 | 12,375円(12ヶ月契約・一括払い・返金不可)/13,750円(1ヶ月契約) | 3.19%(カード区分ごとに月50万円以上の場合。別途 決済の月額1,650円) |
BASEには、月額費用のかかるグロースプランもあります。表はスタンダードプランの場合です。BASEは、決済方法がPayPay・Amazon Pay・PayPalの場合、決済手数料に1%が加算されます(公式の料金プランのページ、2026年10月6日確認)。
月額が上がるほど決済手数料が下がる構造です。どこで逆転するかは月商によって変わります。月商別の費用比較で計算しています。表のうちmakeshopには、15日間の無料体験があります(公式の料金プランのページ、2026年10月19日確認)。
ASPカートの弱点はできることが決まっていることです。用意されていない機能は作れません。逆に言えば、用意されている範囲で足りるなら、ほかの3方式を選ぶ理由はほぼありません。
PRmakeshop![]()
すでにサイトがある場合:カート機能だけを借りる
上の表のサービスは、どれもサイト本体(商品ページ・カート・管理画面)を一式まとめて提供する形です。これとは別に、カート機能だけを借りて、いま持っているサイトに組み込む形のサービスもあります。会社案内やブログをすでに運用していて、デザインを変えずに購入手段だけ足したい場合の選択肢です。
日本で長く提供されているのがSHOP-Makerです。公式の料金ページには次のように記載されています(2026年9月24日確認)。
| カートタイプ/サーバープラン | 月額(税込) | 商品登録個数 | 売上データ件数 |
|---|---|---|---|
| Basic/スタンダード | 3,300円 | 6,000個まで | 10,000件まで |
| Professional/スタンダード | 5,500円 | 6,000個まで | 10,000件まで |
| Professional/アドバンス | 8,360円 | 12,000個まで | 20,000件まで |
| Professional/専用サーバー | 20,900円 | 無制限 | 記載なし |
初期設定費は全プラン11,000円(税込)です。Professionalはモバイル対応と記載されています。専用サーバープランの「無制限」は、同社が制限を設けていないという意味です。サーバースペックに応じた上限はあると注記されています。
契約の条件が上の表のサービスと大きく違うので、先に確認してください。公式の料金ページに次の記載があります。
- 契約は6ヶ月契約と12ヶ月契約の2通りで、1ヶ月契約や3ヶ月契約はできない。専用サーバープランのみ初回3ヶ月契約、以降1ヶ月単位
- レンタル料金は契約期間分の前払い
- 支払い済みの料金は払い戻しできない
- 契約は解約の連絡がない限り自動更新される
- 支払いは指定口座への銀行振込
月額3,300円は、上の表のSTORESスタンダード(年間契約3,300円)と同額です。ただし、始めるには最低でも6ヶ月分19,800円と初期設定費11,000円を先に払うことになります。7日間の無料お試しが用意されているので、この7日で判断しきれるかどうかが実質的な分かれ目です。12ヶ月契約なら1ヶ月分が無料になるとも記載されています。
決済手数料は、SHOP-Makerの月額とは別に決済サービスと契約して払います。標準の決済サービスは「ASP@ペイメント」です。そのプラン一覧(2026年9月25日確認)では、5つのプランがあります。カード決済の手数料は3.5%〜4.4%(税抜)、月額0円〜5,000円(税抜)です。プランごとの手数料・入金日・月商別の費用はSHOP-Makerの料金と契約条件にまとめました。
3. オープンソース(EC-CUBEなど)
ソースコードが公開されていて、自分のサーバーに置いて動かす方式です。日本で使われている代表がEC-CUBEです。
EC-CUBEの公式ページには、ダウンロードは無料と記載されています。ライセンスは「デュアルライセンス方式」と記載されています(2026年9月23日確認)。無償のGPLライセンスと有償の商用ライセンスのどちらかを選べる方式です。商用ライセンスの料金は、確認したページには記載がありませんでした。
「無料」と書かれていますが、無料なのはソフトウェアだけです。実際にかかるものは次のとおりです。
- サーバー代(レンタルサーバーまたはクラウド)
- 独自ドメイン代
- 構築の手間または外注費
- セキュリティ対応と更新の手間
最後のひとつが一番重いところです。ASPカートでは提供元がやっている脆弱性対応を、自分でやることになります。EC-CUBEの公式ページにも、ダウンロード版を使う際はセキュリティチェックシートを確認するよう案内が出ています。
決済情報を扱うサイトを自前で運用するということなので、保守を続けられる体制があるかどうかで決めてください。月額数千円のASPカートより安くなるとは限りません。
4. パッケージとフルスクラッチ
パッケージは、提供元が持っている製品を導入してもらう方式、フルスクラッチはゼロから開発する方式です。
どちらも公式に定価が示されていません。要件ごとの見積もりになるため、この記事では相場の金額を書きません。「〇〇万円が相場」と書いているページは多いのですが、出典が取れないものを載せたくないためです。複数社から見積もりを取ってください。
判断材料になるのは金額よりも、この3つです。
- その要件は本当に必要か。「あったほうがいい」を全部積むと見積もりは膨らみます。
- その要件が売上をいくら増やすか。年間の増加分より開発費が大きいなら、まだ早い段階です。
- 作ったあと誰が保守するか。作って終わりではなく、保守費が毎年続きます。
5. ランニングコストの考え方
ECサイトのランニングコストは、次の合計です。方式によって、どこが膨らむかが変わります。
| 費目 | ASPカート | オープンソース | パッケージ/フルスクラッチ |
|---|---|---|---|
| 月額・利用料 | かかる | かからない | 契約による |
| サーバー代 | 含まれる | かかる | 契約による |
| 決済手数料 | かかる | かかる(決済代行と契約) | かかる |
| 更新・セキュリティ対応 | 提供元 | 自分 | 保守契約 |
| 機能追加 | 用意された範囲 | 開発 | 開発 |
ASPカートは月額が見えている代わりに、見えない手間が少ない方式です。オープンソースは月額が小さく見えて、手間が費用として計上されないだけ、という見方もできます。
PRShopify(運営者は Shopify アフィリエイト(Shopify Affiliate)として参加しており、このリンクから登録があると報酬を受け取ることがあります)
6. リニューアル・移行を考えるタイミング
いま動いているECサイトを作り直すかどうかは、次のどれかに当てはまったときに検討することになります。
- 売上が伸びて、決済手数料の差が月額の差を超えた
- 必要な機能が、いまのサービスで用意されていない
- サービス側でプランや料金が改定され、条件が合わなくなった
- 保守を続けられる人がいなくなった(オープンソースの場合)
移行で見落としやすいのは、そのまま持っていけないものです。
- URLの構造(変わると検索順位に影響します。リダイレクトの設定が要ります)
- 顧客アカウントとパスワード(通常は再登録が必要です)
- レビューやポイントなどの蓄積データ
- 定期購入やサブスクリプションの契約
1つ目が一番効きます。記事やカテゴリページで検索から集客できているサイトほど、移行のコストが大きくなります。売上が小さいうちに方式を決めきってしまうほうが、あとから移るより安く済みます。
7. BtoBの要件がある場合
BtoB向けのECサイトは、BtoC向けとは必要な機能が違います。代表的なのは次のものです。
- 取引先ごとの価格設定
- 掛け払い(後払い)と与信
- 見積書・注文書の発行
- 承認フロー
これらが標準で用意されているかどうかはサービスによって違い、プランによっても変わります。該当する要件があるなら、料金表だけを見て決めず、各社の機能一覧のページで項目名を1つずつ確認してください。この記事では、サービスごとのBtoB機能の有無までは確認していません。
8. 選び方のまとめ
- まずASPカートで足りるかを確認する。足りるなら、それ以上の方式を選ぶ理由はありません。
- 足りない機能を具体的に書き出す。「デザインを自由にしたい」は、テンプレートのHTML・CSS編集で足りることが多いです。
- 保守を誰がやるか決める。決められないならオープンソースは選ばないほうが無難です。
- 移行コストを先に見積もる。あとから変えるほうが高くつきます。
開店までの手順はネットショップ開業の手順に、費用の比較はECサイトの構築費用にまとめています。
9. この記事の範囲
EC-CUBEのライセンスと提供形態は2026年9月23日に公式ページで確認しました。ASPカート各社の金額は、次の日付の公式ページの記載です。BASE・STORES・Shopify・Square・カラーミーショップは2026年9月23日です。makeshopは2026年9月21日、SHOP-Makerは2026年9月24日です。SHOP-Makerの決済手数料(ASP@ペイメント)は2026年9月25日に公式のプラン一覧で確認しました。パッケージとフルスクラッチの費用、および各サービスのBtoB機能の有無は確認していないため、この記事には書いていません。
関連:ECサイトの構築費用/ネットショップ作成サービス比較(主要10社の料金一覧)/無料で作れるネットショップ6社
公式サイト・申込窓口
参照した公式ページと確認日(2026-09-23)
- EC-CUBE ダウンロード https://www.ec-cube.net/download/
- EC-CUBE 製品情報 https://www.ec-cube.net/product/
- BASE 料金プラン https://thebase.com/price
- STORES ネットショップ 利用料金・手数料 https://stores.fun/ec/pricing
- カラーミーショップ プラン・料金一覧 https://shop-pro.jp/plans/
- Shopify 料金プラン https://www.shopify.com/jp/pricing
- makeshop 料金プラン https://www.makeshop.jp/main/plan/
- Square オンラインビジネス プラン比較 https://squareup.com/jp/ja/online-store/plans
- SHOP-Maker ご利用料金 https://www.shopmaker.jp/ryoukin.html
- SHOP-Maker ご利用プラン https://www.shopmaker.jp/plan.html
- SHOP-Maker ASP@ペイメント プラン一覧 https://www.shopmaker.jp/payment2/asp_payment/plan_detail.html



