ネットショップの返品・交換・キャンセル対応:返品特約を書かないと8日間は返品可、不良品は特約と別の話
公式情報を見た日:2026-09-26 / 掲載:2026-09-26

この記事の答え

特定商取引法・消費者庁のガイドライン・民法(2026年9月26日確認)に書かれていることで整理した場合
- 返品特約をまだ書いていない店返品の可否・期間・送料負担を決めて表示する。書かないと8日以内は返品を受けることになります
- 「返品不可」にしたい店不良品・誤配送の責任は特約と別です。交換・返金の手順を決めておく
- ネットで注文を受ける店返品特約を、商品ページや最終確認画面など見つけやすい場所に表示する
- 返品を受けた店返金を遅らせない。代金返還の拒否や遅延は法第14条で禁止されています
ネットショップを続けていると、お客さまから連絡が届くことがあります。「サイズが合わなかった」「イメージと違った」「届いた商品が壊れていた」といった内容です。この記事では、返品・交換・キャンセルへの対応を整理します。根拠は、特定商取引法、消費者庁のガイドライン、民法の条文に書かれていることだけです。
内容は2026年9月26日に確認しました。確認先は、消費者庁の特定商取引法ガイドと、同庁の「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」です。あわせて、国民生活センターの公表資料と、e-Gov法令検索の民法本文も確認しました。
1. 通信販売にクーリング・オフはない
国民生活センターは「通信販売はクーリング・オフできません」という注意情報を出しています。通信販売の返品は、クーリング・オフでは扱われません。特定商取引法第15条の3の「契約の申込みの撤回又は契約の解除」(いわゆる返品制度)のルールで扱われます。
2. 返品特約を書かないと、届いてから8日間は返品を受けることになる
消費者庁の特定商取引法ガイドには、次のように書かれています。
通信販売では、消費者が売買契約を申し込んだり、締結したりした場合でも、その契約に係る商品の引渡し(特定権利の移転)を受けた日から数えて8日以内であれば、消費者は事業者に対して、契約申込みの撤回や解除ができ、消費者の送料負担で返品ができます。もっとも、事業者が広告であらかじめ、この契約申込みの撤回や解除につき、特約を表示していた場合は、特約によります。
つまり、ショップ側が決められるのは「返品特約」の中身です。
3. 返品特約は「見つけやすく」書く
返品特約は、特定商取引法の広告の表示事項のうち省略できない項目です。返品の可否、返品の期間等条件、返品に係る費用負担の有無を書きます。さらにインターネット通販では、最終確認画面にも表示することが定められています(法第15条の3ただし書、省令第44条)。
消費者庁のガイドラインは、消費者が容易に認識できる表示の例として、次のような方法を挙げています。
- 商品の価格など、消費者が必ず確認する事項の近くに、価格等と同じ大きさで表示する
- 色文字・太文字を使うなどして、他の事項に埋もれないようにする
- 最終確認画面の各商品の説明箇所に表示する
反対に、次のような方法は「容易に認識することができるよう表示していないおそれがある」とされています。極めて小さな文字で書く、他の事項に隠れて埋没するように書く、何も表示しない、といった方法です。
返品特約の書き方は、ほかの表示事項とあわせて 特定商取引法に基づく表記の書き方 にもまとめています。
4. 「返品不可」と書いても、不良品の責任は別
返品特約で「返品不可」と書いておけば、どんな場合も返品を断れるわけではありません。消費者庁のガイドラインは、次の2つを区別するよう求めています。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 返品特約 | 契約の内容どおりの商品を届けた場合に、返品を受けるかどうか |
| 販売業者の責任についての特約 | 届けた商品が、種類や品質の点で契約の内容に適合していない場合の責任 |
ガイドラインには、両者の区別がつかない表示の場合の扱いも書かれています。その場合は、契約の内容に適合している状態での返品特約についてのみ定めたものと解されます。適合していない場合の販売業者の責任は「民商法一般原則による」とされています。
民法には、届けた商品が契約の内容に適合しない場合の買主の権利として、次の条文があります。
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第562条(買主の追完請求権) | 目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しを請求できる |
| 第563条(買主の代金減額請求権) | 相当の期間を定めて催告しても追完がないときなどに、代金の減額を請求できる |
| 第564条 | 前2条の規定は、損害賠償の請求(第415条)や契約の解除(第541条・第542条)を妨げない |
| 第566条 | 種類・品質の不適合は、買主が不適合を知った時から1年以内に売主に通知しないと、原則として請求できなくなる |
壊れていた、注文と違う商品が届いた、数が足りない、といった連絡は、返品特約とは別の話として受け付ける準備をしておきます。
5. 返金を遅らせてはいけない
特定商取引法ガイドには、返金の遅れについての記載があります。通信販売で申込みの撤回等があると、双方に元に戻す義務が生じます。そのとき、事業者が代金返還などの債務の履行を拒否したり、遅延したりすることは禁止されています(法第14条)。また、申込みの撤回や解除を妨げるために、事実と違うことを告げることも禁止されています(法第13条の2)。
6. 開業前に決めておくこと
| 項目 | 決めること |
|---|---|
| 返品を受けるか | 受けない/条件つきで受ける(期間、未開封・未使用など) |
| 返品の送料 | 誰が負担するか(特約に書く) |
| 不良品・誤配送 | 交換・返金の手順、写真を送ってもらうかなど |
| 返金の方法 | 決済方法ごとの返金手順(カード決済の取消し、振込など) |
| 表示場所 | 特定商取引法の表記ページ、商品ページ、最終確認画面 |
注文から発送までの流れは 受注から発送までの流れ にまとめています。
7. この記事の範囲
- 特定商取引法の部分は、2026年9月26日に確認した記載です。確認先は、消費者庁の特定商取引法ガイドと「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」です。
- 民法の条文は、e-Gov法令検索で確認した本文を要約しています。
- 消費者契約法など、ほかの法律による制限は扱っていません。
公式サイト・申込窓口
参照した公式ページと確認日(2026-09-26)
- 消費者庁 特定商取引法ガイド 通信販売 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/mailorder/
- 消費者庁 通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン(PDF) https://www.no-trouble.caa.go.jp/pdf/20230421la02_07.pdf
- 国民生活センター 通信販売はクーリング・オフできません https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen471.html
- e-Gov法令検索 民法(明治29年法律第89号) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089


