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開業ロードマップ STEP 10 / 10:帳簿と申告
手続き・税金

ハンドメイドの確定申告と開業届:20万円の線引きと、事業所得か雑所得かの分かれ目

公式情報を見た日:2026-09-23 / 掲載:2026-09-23

この記事の答え

国税庁の公式ページと所得税基本通達(2026年9月23日確認)で整理した場合

  • 会社員の副業で作品を売る人売上から経費を引いた所得が20万円を超えるかを計算する
  • 帳簿を付けていない人売上と経費の記録を始める。帳簿の有無が事業所得か雑所得かの分かれ目です
  • 1月16日以後に開業し、青色申告を使いたい人開業届と青色申告承認申請書を、開業から2か月以内に出す
  • 複数の売り場で売っている人各サービスの売上明細と、販売手数料・振込手数料の明細を残す

minneやCreemaで作品が売れ始めると、確定申告をどうするかという話が出てきます。この記事では、「申告が必要か」と「事業所得か雑所得か」の2つを、国税庁の公式情報にもとづいて整理します。

内容は2026年9月23日に国税庁の公式ページで確認しました。

ハコの一言確認するのは2つです。「申告が必要か」と、「事業所得か雑所得か」です。

1. まず「申告が必要か」を確認する

会社に勤めながらハンドメイドを売っている場合、国税庁のタックスアンサーにはこう書かれています。

各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人

給与が源泉徴収の対象で、給与以外の所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。

ここで大事なのは、20万円は「売上」ではなく「所得」だということです。所得は、売上から必要経費を引いた残りです。材料費や送料、販売手数料などを引いた結果が20万円以下なら、この条件には当たりません。

なお、この20万円の基準は所得税の話です。住民税の扱いは別です。住民税は本記事では確認していないため、お住まいの市区町村にご確認ください。

2. 「事業所得」か「業務に係る雑所得」か

申告することになったとき、次に問題になるのがこの区分です。青色申告特別控除が使えるかどうかなど、扱いが変わります。

所得税基本通達には、判定の考え方がこう書かれています。

事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。

抽象的ですが、同じ通達の注記に、もっとはっきりした基準が書かれています。

(帳簿書類の保存がない場合)その所得に係る収入金額が300万円を超え、かつ、事業所得と認められる事実がある場合を除き、業務に係る雑所得に該当する

読み替えると、こうなります。

帳簿書類の保存 収入金額 扱い
ある — 社会通念上事業と称する程度かで判定
ない 300万円以下 業務に係る雑所得
ない 300万円超 事業所得と認められる事実があれば事業所得

つまり、帳簿を付けて保存しているかどうかが、実務上の分かれ目になります。「売上がいくらあるか」より先に、ここを押さえるほうが確実です。

3. 帳簿の保存は、申告が不要な人にも義務がある

国税庁の案内には、記帳と帳簿書類の保存義務がある人が記載されています。個人で事業や不動産貸付け等を行うすべての人です。所得税および復興特別所得税の申告の必要がない人も含みます。

売上が小さいから記帳しなくてよい、という整理ではありません。2節の区分の話と合わせると、記帳は「やっておくと得」ではなく「やることになっている」と考えたほうが実態に合います。

作品を売り始めたら、次の3つは残しておいてください。

  • 売上の記録(各サービスの売上明細をダウンロードして保存する)
  • 材料費・送料・梱包費の領収書
  • 各サービスに引かれた販売手数料と振込手数料の明細

3つめは見落とされがちです。minneやCreemaのようなマーケットでも、BASEやSTORESのような自分のショップでも同じです。売上から手数料が引かれた金額が入金されます。入金額だけを売上として記録すると、売上も経費も実態とずれます。各サービスの手数料がいくら引かれるかはハンドメイドを売る場所の比較で実額を計算しています。BASEのスタンダードプランは、月額費用0円で、売れるまでは費用がかかりません(2026年10月19日確認)。

4. 開業届を出すかどうか

開業届は、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」です。提出期限は、国税庁の案内では「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに」です。よく言われる「1か月以内」ではありません。

ただし、青色申告をするつもりなら話が別です。青色申告承認申請書の期限は、1月16日以後に開業した場合は開業の日から2か月以内で、こちらのほうがずっと短くなります。書き方と期限の詳細はネットショップの開業届:提出期限と書き方にまとめました。

屋号の欄に作家名やショップ名を書けるかどうかも、そちらで扱っています。

5. 売る場所を増やすほど、記録は面倒になる

minne、Creema、自分のショップ、イベント販売、と売り場が増えると、売上の記録がその数だけ分かれます。手数料の料率も、手数料が送料にかかるかどうかも、サービスごとに違います。

申告のことまで考えるなら、売り場を絞るか、明細をダウンロードできるサービスに寄せるかのどちらかです。どの売り場がいくら引かれるかはハンドメイドを売る場所の比較に一覧があります。

なお、中古品を仕入れて売る場合は古物商許可の話が別に出てきます。自分で作った作品には関係しません。ただし、材料として古い着物や部品を仕入れて作り直して売る場合もあります。その場合は、ネット販売で古物商許可が必要なケース・不要なケースを確認してください。

6. やる順番

  1. 売上と経費の記録を始める。これが事業所得か雑所得かの分かれ目になり、そもそも義務でもあります。
  2. 所得(売上−経費)が20万円を超えそうか計算する。会社員の副業なら、ここが申告の要否の線です。
  3. 青色申告を使うなら、開業届と青色申告承認申請書を2か月以内に出す。
  4. 住民税の扱いは市区町村に確認する。所得税とは別の話です。
  5. 判断に迷ったら税務署か税理士に相談する。

7. この記事の範囲

次の内容は、2026年9月23日に国税庁の公式ページと所得税基本通達で確認しました。確定申告の要否、事業所得と業務に係る雑所得の区分、記帳・帳簿保存の義務、開業届の期限です。次の点は本記事では扱っていません。青色申告特別控除の金額、必要経費に算入できるものの範囲、住民税の取扱い、消費税(インボイス)の判断です。インボイスについてはネットショップとインボイスに別途まとめています。

関連:ハンドメイドを売る場所の比較/ネットショップの開業届:提出期限と書き方/ネットショップ開業の手順

ハコの一言もう一度、答えだけ。会社員の副業で作品を売る人は、売上から経費を引いた所得が20万円を超えるかを計算する

公式サイト・申込窓口

参照した公式ページと確認日(2026-09-23)