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開業ロードマップ STEP 4 / 10:開業届・税の届出
手続き・税金

ネットショップの開業届:提出期限と、屋号・職業欄・事業の概要の書き方

公式情報を見た日:2026-09-23 / 掲載:2026-09-23(改訂 2026-09-27)

この記事の答え

国税庁の公式ページと記載要領(2026年9月23日確認)に書かれている内容で整理した場合

  • 1月16日以後に開業し、青色申告を使いたい店開業から2か月以内に、開業届と青色申告承認申請書をまとめて出す
  • 人を雇って給与を払う店給与支払事務所等の開設届出書の「1か月以内」の期限を確かめる
  • 自宅で開業する店開業届を出す前に、特定商取引法の表記で公開する住所をどうするか決める
  • 中古品を仕入れて売る店事業の概要に中古品の販売と分かるように書き、古物商許可の要否を確かめる

ネットショップを始めるときに出す「個人事業の開業・廃業等届出書」、いわゆる開業届についての記事です。国税庁の公式ページと記載要領に書かれている内容だけを整理します。「1か月以内に出さないといけない」という説明をよく見かけますが、国税庁の案内に書かれている期限は違います。

内容は2026年9月23日に国税庁の公式ページで確認しました。

ハコの一言開業届の期限は、開業した年分の確定申告期限までです。「1か月以内」ではありません。

1. 提出期限は「開業した年分の確定申告期限まで」

国税庁の手続案内ページには、提出時期がこう書かれています。

事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください。 (国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」)

国税庁の「開業する場合」のページでも、この届出書の期限は「開業した年分の所得税の確定申告期限」と記載されています。さらに、届出書の記載要領(書き方)にも同じ趣旨が書かれています。

事業の開始、廃止等の事実があった日の属する年分の所得税の確定申告期限までに納税地を所轄する税務署長に提出してください

今回確認したのは、手続案内ページ、開業する場合のページ、記載要領の3つの資料です。この3つに、「1月以内」「1か月以内」という表現はありませんでした。

「1か月以内」が期限の届出書

1か月以内の期限がある届出書は、別にあります。人を雇って給与を払う場合に出す「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」です。国税庁のタックスアンサーには、期限が「開設、移転又は廃止の事実があった日から1か月以内」と記載されています。

開業届の期限は「開業した年分の確定申告期限まで」で、この届出書の「1か月以内」とは別です。届出書ごとの期限は国税庁の案内で確認してください。

提出先は納税地を所轄する税務署長です。手数料についての記載はありません。作成・提出方法としては、e-Taxソフトで作成してe-Taxで提出する方法が案内されています。

期限の違い:3つの届出
  1. 開業届開業した年分の確定申告期限まで
  2. 青色申告承認申請書開業の日から2か月以内(開業の日が1月16日以降の場合)
  3. 給与支払事務所等の開設届1か月以内(人を雇って給与を払う場合)

2. 開業のときに出す書類は1つではない

国税庁の「開業する場合」のページに挙がっている届出書と期限です。全員が全部出すわけではなく、該当するものだけを出します。

書類 期限
個人事業の開業・廃業等届出書 開業した年分の所得税の確定申告期限
所得税の青色申告承認申請書 3月15日まで(開業の日が1月16日以降の場合は、開業の日から2か月以内)
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書 期限の記載なし
所得税の棚卸資産の評価方法の届出書 最初の確定申告書の提出期限まで
所得税の減価償却資産の償却方法の届出書 期限の記載なし
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 随時
預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書 振替納税を利用する国税の納期限まで
国税ダイレクト方式電子納税依頼書兼届出書 ダイレクト納付を利用する日のおおむね1か月前まで

期限が一番きついのは青色申告の承認申請です。開業届ではありません。次の節で詳しく書きます。

3. 書き方:国税庁が説明している欄と、していない欄

記載要領(書き方)を読むと、説明が書かれている欄は限られています。今回確認した範囲では、次の欄に指示がありました。

  • 所得の種類:「新たに開始した事業又は廃止した事業に係る所得の種類について、該当するものの□(チェック欄)にレ印を付してください」
  • 給与等の支払の状況:「届出日現在における給与の支給人員と給与等の支払の状況及びそれらの状況からみて源泉徴収をすべき税額があるかどうかを記載します」
  • 給与支払を開始する年月日:「給与等の支払を開始する日を記載します」

一方で、検索されることの多い欄には、具体的な記入例や説明が見当たりませんでした。「職業」欄・「屋号」欄・「事業の概要」欄です。走査したのは上記の記載要領と、国税庁の手続案内ページ・「開業する場合」のページです。ほかの資料まで網羅的に確認したわけではありません。

つまり、これらの欄は「こう書かなければならない」という形式が公式に示されているわけではありません。以下は、その前提で実務上の考え方を書きます。

4. 屋号は「ショップ名」にしてよいか

屋号の書き方について、公式の指定は見当たりません。そのため、ネットショップの名前をそのまま屋号にすることを妨げるものは、確認した範囲では見つかりませんでした。屋号は空欄でも提出できます。

ただし、屋号を決めるときに知っておいたほうがよいことが2つあります。

1つめ。屋号だけでは、通信販売の表示義務を満たせません。特定商取引法にもとづく表記では、事業者の氏名(名称)を書く必要があります。屋号を名乗っていても、個人事業主なら本名の記載が必要です。詳しくは特定商取引法に基づく表記の書き方にまとめています。

2つめ。屋号名義の銀行口座を作るかどうか。屋号付き口座の開設条件は金融機関によって違い、開業届の控えを求められることがあります。開業届を出す前に口座を作る予定があるなら、先に金融機関の条件を確認してください。各金融機関の条件は、本記事では確認していません。

5. 職業欄と事業の概要欄

どちらも公式の記入例が見当たらない欄です。実務上は、税務署の担当者が事業の内容を把握できる程度に具体的に書くことになります。

「職業」は短く事業の種類を書く欄、「事業の概要」はもう少し詳しく書く欄、という位置づけです。ネットショップなら、たとえば次のような粒度です。

  • 職業:小売業
  • 事業の概要:インターネットによる◯◯の販売

中古品を仕入れて売るなら、その旨が分かるように書くほうが実態に合います。中古品の販売には古物商許可が必要になる場合があり、許可の申請でも事業内容を書きます。どこで線が引かれるかはネット販売で古物商許可が必要なケース・不要なケースにまとめています。

なお、書いた内容によって個人事業税の扱いが変わる場合があります。個人事業税は都道府県の税で、法定業種の判定は本記事では確認していません。該当しそうな場合は都道府県税事務所にご確認ください。

6. 納税地に自宅住所を書くことと、ショップの住所公開は別の話

開業届には納税地を書きます。自宅で開業するなら自宅の住所です。これは税務署に出す書類で、そのまま公開されるものではありません。

一方で、ネットショップを開くと、特定商取引法にもとづく表記で住所を公開する必要があります。この2つは別の話ですが、自宅を使うなら結果として同じ住所を公開することになります。個人事業主が自宅住所を出したくない場合の選択肢は、特定商取引法に基づく表記の書き方の3節に整理しています。

開業届を出す前に、ショップの住所をどうするかを先に決めておくほうが、あとで納税地を変える手間が減ります。

7. 開業届より、青色申告の承認申請のほうが急ぐ

国税庁のタックスアンサーには、所得税の青色申告承認申請書の期限がこう書かれています。

原則、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日から2月以内。)

1月16日以後に開業した人は、開業から2か月以内です。開業届の期限(開業した年分の確定申告期限まで)よりずっと短く、ここを過ぎるとその年は青色申告ができません。

開業届と青色申告承認申請書は同時に出せます。青色申告を使うつもりなら、開業届を「確定申告期限まででいい」と後回しにせず、2か月以内に両方まとめて出すほうが安全です。

青色申告と白色申告のどちらを選ぶかは、控除額や帳簿付けの手間の問題なので、税理士や所轄の税務署にご相談ください。

8. よくある誤解の整理

よく見る説明 今回確認した内容
開業届は1か月以内 国税庁の案内は「開業した年分の確定申告期限まで」。確認した3資料に「1か月以内」の表現はない
1か月以内なのは開業届 1か月以内は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」
職業欄には決まった書き方がある 確認した記載要領に、職業欄の記入例や説明は見当たらなかった
屋号は必ず書く 記載要領に必須とする記述は見当たらなかった。空欄でも提出できる
屋号を書けば本名は出さなくていい 通信販売では特定商取引法により事業者の氏名(名称)の表示が必要

9. 開業のあとにやること

届出が済んだら、開店までの実務が残ります。売るものによって必要な許可が変わり、特定商取引法の表記も開店時点で必要です。順番はネットショップ開業の手順にまとめました。

サービス選びは、想定する月商での費用で決まります。ネットショップ作成サービス比較(主要10社の料金一覧)と無料で作れるネットショップ6社で計算しています。BASEのスタンダードプランは、月額費用0円で、売れるまでは費用がかかりません(2026年10月19日確認)。

10. この記事の範囲

提出期限・提出先・届出書の一覧・記載要領の内容は、2026年9月23日に国税庁の公式ページとPDFで確認しました。職業欄・屋号欄・事業の概要欄の「説明が見当たらない」の記述は、上記の出典に挙げた4つの資料を確認した範囲での話です。個人事業税の法定業種、金融機関の屋号付き口座の条件は確認していないため、本記事には書いていません。

関連:ネットショップ開業の手順/特定商取引法に基づく表記の書き方/ネット販売で古物商許可が必要なケース・不要なケース

ハコの一言もう一度、答えだけ。1月16日以後に開業し、青色申告を使いたい店は、開業から2か月以内に、開業届と青色申告承認申請書をまとめて出す

公式サイト・申込窓口

参照した公式ページと確認日(2026-09-23)