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手続き・税金

ネットショップとインボイス:登録は任意、2割特例は令和8年分で終わり令和9年からは3割特例

公式情報を見た日:2026-09-23 / 掲載:2026-09-23

この記事の答え

国税庁の公式ページとPDF(2026年9月23日確認)に書かれている制度で整理した場合

  • 一般消費者への販売が中心の店インボイスを求められた記録があるかを見てから、登録するかを決める
  • 法人や事業者にも売っている店登録しない場合に失う取引があるかを、事業者向けの売上で見積もる
  • 登録を考えている免税事業者の店納税額を令和9年分〜令和11年分まで試算する。特例が2割→3割→なしと変わります
  • 登録して2割特例を使っている個人の店2割特例は令和8年分が最後。令和9年分からの3割特例を確かめる

ネットショップを個人でやっていると、インボイス(適格請求書)の登録をすべきかどうかで迷います。この記事では、判断に必要な最小限を国税庁の公式情報だけで整理します。

この記事には広告を掲載していません。以下は2026年9月23日に国税庁の公式ページで確認した一般的な情報です。

ハコの一言インボイスは、買い手が仕入税額控除を受けるための仕組みです。この記事は、国税庁の公式情報だけで整理しています。広告は載せていません。

1. インボイスは「買い手が仕入税額控除を受けるため」の仕組み

国税庁のタックスアンサーには、こう書かれています。

一定の事項を記載した帳簿および請求書等の保存が仕入税額控除の要件となります。

仕入税額控除は、課税事業者が消費税の納税額を計算するときの仕組みです。つまりインボイスが必要になるのは、買い手が課税事業者で、その仕入れについて消費税の控除を受けたいときです。

ここがネットショップの判断の出発点になります。

2. 買い手が誰かで、必要性が変わる

売り先 インボイスを求められるか
一般消費者 買い手は消費税の申告をしないため、求められる場面は通常ない
事業者(BtoB、卸、企業の備品購入など) 買い手が控除を受けるために求めることがある

自分のショップの注文が、消費者からのものか事業者からのものか。これを先に確認してください。領収書や請求書の発行依頼が来るか、宛名に会社名が入るか、が手がかりになります。

同じネットショップでも、売り先によって必要性がまったく違います。雑貨をSNS経由で個人に売っている場合と、備品を法人に売っている場合です。

3. 登録は任意。ただし登録すると納税義務が生じる

国税庁のタックスアンサーによれば、適格請求書発行事業者になるには登録申請が必要です。税務署長に登録申請を提出して、登録を受けます。登録そのものは義務ではありません。

重要なのは次の一文です。

登録を受けた場合、消費税の納税義務は免除されません。

つまり、これまで免税事業者だった人が登録すると、課税事業者になり、消費税を納めることになります。「とりあえず登録しておく」という判断が、そのまま納税義務につながります。

なお、免税事業者の登録については経過措置があります。

令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日を含む課税期間中に免税事業者が登録を受けた場合は、登録を受けた日から適格請求書発行事業者となることができる経過措置が設けられています。

4. 2割特例は「令和8年分」で終わる

登録して課税事業者になった小規模事業者の負担を軽くする措置が「2割特例」です。国税庁の説明はこうです。

対象:インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった人。基準期間の課税売上高が1千万円超の事業者などは除きます。

対象期間:

令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間

計算:

仕入税額控除の金額を、特別控除税額(課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額)とすることができます

届出:

事前の届出は必要なく、消費税の申告時に消費税の確定申告書に2割特例の適用を受ける旨を付記することで適用を受けることができます

個人事業者の課税期間は1月1日から12月31日までです。そのため、令和8年9月30日を含む課税期間は「令和8年分(2026年分)」です。個人事業者にとって、2割特例が使えるのは令和8年分が最後になります。

5. 令和9年分・令和10年分は「3割特例」

令和8年度税制改正で、新しい措置が創設されました。国税庁の税制改正特集の資料にはこう書かれています。

個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年分及び令和10年分の消費税申告について

計算方法は次のとおりです。

その課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、その課税標準額に対する消費税額に7割を乗じた額とすることにより、納付税額をその課税標準額に対する消費税額の3割とすることができる

同じ資料には、現行の2割特例は令和8年9月30日までの日の属する課税期間で終了すると記載されています。そのあと3割特例へ移る形が図で示されています。令和11年分(2029年分)からは3割特例も適用できません。

時系列にすると、個人事業者の場合こうなります。

年分 使える特例 納付税額の目安
令和5年分〜令和8年分(2023〜2026年分) 2割特例 売上にかかる消費税額の2割
令和9年分・令和10年分(2027・2028年分) 3割特例 売上にかかる消費税額の3割
令和11年分(2029年分)以降 なし 原則どおりの計算

負担は段階的に増えます。「いまは2割だから大丈夫」という前提で登録すると、2年後・4年後に負担が変わります。登録を判断するときは、この先の年分まで見て計算してください。

6. 判断の順番

  1. 自分のショップの買い手が誰かを確認する。一般消費者が中心なら、インボイスを求められる場面は通常ありません。
  2. 求められたことが実際にあるか、記録を見る。「いつか言われるかもしれない」で登録すると、納税義務だけが先に発生します。
  3. 登録した場合の納税額を、令和9年・令和10年・令和11年まで試算する。特例が2割→3割→なし、と変わります。
  4. 登録しない場合に失う取引があるかを見積もる。事業者向けの売上がどれくらいあるかで決まります。
  5. 迷うなら税務署か税理士に相談する。この記事は判断材料の整理であって、判断そのものではありません。

7. この記事の範囲

登録の要否、経過措置、2割特例、3割特例の記載は、2026年9月23日に国税庁の公式ページおよびPDFで確認しました。次の点は今回確認していないため、本記事には書いていません。適格簡易請求書(いわゆる簡易インボイス)を交付できる事業者の範囲、登録申請の具体的な手続、消費税の計算方法の詳細です。

関連:ネットショップ開業の手順/ネットショップの開業届:提出期限と書き方/特定商取引法に基づく表記の書き方

ハコの一言もう一度、答えだけ。一般消費者への販売が中心の店は、インボイスを求められた記録があるかを見てから、登録するかを決める

公式サイト・申込窓口

参照した公式ページと確認日(2026-09-23)